相場予想

相場予想ニュースって当たってるの?

市場の開く9時前に、当日の日経の相場予想のニュースが、株式関連各社から配信されます。

 

あれって、どれくらい当たっているのでしょうか?

 

それに、もしその予想が当たっていれば、それに乗って投資することにより稼げるのでしょうか?

 

それではここで、Yahoo Financeで配信されている次の配信元の相場予想ニュースを検証してみたいと思います。

  • フィスコ
  • トレーダーズ・ウェブ
  • 株探ニュース
  • モーニングスター
  • 時事通信

 

調査期間 2015年7月6日(月)〜 17日(金)の2週間
比較対象 配信ニュースにおける日経平均予想株価 vs 当日の日経225先物(ラージ)の株価
評価項目
  • 高値・安値の中心値のズレ: 配信ニュースにおける日経平均予想株価の範囲(高値・安値)の中心値と予想当日の日経225先物(ラージ)の値動き範囲(高値・安値)の中心値の金額差
  •  

  • 高値・安値の値幅の差: 配信ニュースにおける日経平均予想株価の範囲(高値・安値)の値幅と予想当日の日経225先物(ラージ)の値動き範囲(高値・安値)の値幅の差

 

調査期間の各株式関連会社の予想株価(高値・安値)と実際の株価の値動き(高値・安値)は、次のようになりました。

 

相場予想比較

 

グラフにすると、このようになります。赤棒は実際の日経225先物の安値〜高値、青棒は各社の予想株価の安値〜高値です。それぞれ、色が変わっているところが、高値・安値の中心値になっています。
※ 配信ニュースで具体的な株価の金額を提示していない場合は、グラフ及び評価から除外しています。

 

相場予想比較グラフ

 

これを見てみると、ある程度当たっているときと、全く当たっていないときとあります。

 

それでは、当たっているときはスゴイのかというと、実はそうでもありません。
というのも、これらの予想は、ほぼパターン化していて、素人でも、あまり変わりない予想ができるからです。

 

そのパターンというのは、このコメントに象徴されます。
「本日の日経平均は、シカゴ先物にさや寄せして始まるでしょう。」

 

要するに、CME225先物(円建て)の終値に近い株価で始まるということです。
CME225先物(円建て)の株価は、各証券会社のマーケット情報で見ることができますが、こちらのサイトで無料で見ることができます。
http://nikkei225jp.com/cme/

 

株価というものは日をまたがっても繋がって推移するもので、大証(日中)が終わった後も、大証(夜間)、CME、SGXのような市場で、日経225先物は株価推移を続けています。それぞれほとんど同じような値動きをするのですが、翌日の大証(日中)の寄り付き価格は、最もCME225先物(円建て)の価格に影響を受けます。

 

それで、相場予想では、ほとんどの場合、CMEの終値を中心に、各種イベントに応じた当日の値幅予想から±100円とか、±200円という形で値動きを予想しているわけです。

 

とはいえ、各社の予想が少しずつ異なっている以上、少なからず的中率の優劣があるわけですので、上記評価項目に従って評価を行ったところ次のようになりました。

 

中心値価格差ランキング
  配信元 中心値価格差平均
株探ニュース 96.7円
時事通信 97.1円
フィスコ 113.3円
4位 モーニングスター 116.0円
5位 トレーダーズ・ウェブ 136.0円

 

値幅価格差ランキング
  配信元 値幅価格差平均
フィスコ 114.4円
株探ニュース 167.8円
時事通信 194.3円
4位 トレーダーズ・ウェブ 219.0円
5位 モーニングスター 220.0円

 

総合ランキング

株探ニュース
  • 中心値価格差ランキング: 第1位
  •  

  • 値幅価格差ランキング: 第2位

フィスコ
  • 中心値価格差ランキング: 第3位
  •  

  • 値幅価格差ランキング: 第1位

時事通信
  • 中心値価格差ランキング: 第2位
  •  

  • 値幅価格差ランキング: 第3位

 

結論としては、各配信元により、その信頼性の差はあると考えられますが、ランキング1位の高値・安値の株探ニュースでも、高値・安値の中心値の差は、平均で約100円程度あるわけですから、あまり真に受けると痛い目を見ることになります。

 

あくまで、参考程度に留めておいた方が良さそうです。相場予想が当たらなくても、誰も責任を取ってくれるわけではありません。それを信じてしまったとしたら、それもあくまで自己責任というころですから、参考にするにしても、最終的には自分で判断するようにしましょう。

 

ちょっと長くなりましたが、この記事は、ここで終わります。

 

また面白そうな検証があれば、また検証してご報告したいと思います。